写真の記録性、或いは一期一会を残す意義

「アニキ」こと水木一郎氏が惜しまれつつ世を去って、3か月が過ぎた。深い悲しみに暮れたアニソン界も、アニキ亡き後に向かって歩み始めている。

そんな中、データの整理をしていたら、昨年夏にこんな写真を撮っていた事に気づいた。

2022年8月14日 スーパーアニソン魂のシャッタータイムより@ZEPP HANEDA

自分が最後にアニキの姿を拝見したステージで、ささきいさお、堀江美都子両氏とともにステージに並び立つ瞬間を写真に収められたのは、本当に幸運だったと思える。

写真には、こういう機能もあるわけだ。いや、むしろこれこそが写真の本来的な、そして最も重要な機能だろう。惜しまれつつ世を去った人々、形を失った物事。そんな記憶を、一日でも長く世の中に留めること。これを満たすためには、まず「しっかり撮れる」ことがなにより大切だと考える。

2022年8月14日 水木一郎“アニキ”が「自分の脚でステージに立った」もしかしたら最後の姿@ZEPP HANEDA

亡くなられる3か月ほど前の姿と知って今これらの写真を見直せば、既にギリギリの状態でステージに上がっていたのだろうということが改めて明らかになる。そういうことをより正しく残すことが、写真の、そして写真を撮る者の役目の一つと思う。

今後とも一層技術を高め、一つでも多くの機会を求めていこう。亡きアニキの在りし日の姿に、そんな思いを強くさせられた。